楽天証券は2026年10月15日、米国株式の信用取引手数料を0米ドルにすると発表しました。適用は2026年11月2日(月)18:00以降の約定分(国内約定日11月4日)から。さらに、新規建てと返済を同じ日に完了するデイトレードでは、買方金利・貸株料も年率0%になります。
ただし、無料化されるのは米国株式の「信用取引」であり、現物取引の手数料が一律無料になるわけではありません。また、翌日以降への持ち越しや売却時のSEC Feeなど、残る費用もあります。この記事では改定前後の違い、対象条件、SBI証券との違いを整理します。
情報確認日:2026年10月19日。出典:楽天証券の公式発表。
楽天証券の米国株式信用取引は何が変わる?
| 項目 | 改定前 | 改定後(11月2日18時以降の約定) |
|---|---|---|
| 信用取引の取引手数料 | 約定代金の0.33%(税込) 最低0米ドル・上限16.5米ドル | 約定代金を問わず0米ドル |
| デイトレード時の買方金利 | 年率4.5% | 年率0% |
| デイトレード時の貸株料 | 年率2.0% | 年率0% |
| 翌日以降に持ち越す場合の買方金利・貸株料 | 通常の金利・貸株料 | 通常の金利・貸株料がかかる |
新手数料は特別なエントリーをしなくても自動適用されます。ただし、米国株式信用取引を始めるには所定の口座開設・審査が必要です。公式発表・FAQで確認できます。
「11月1日から」ではない?適用開始は11月2日18時
案内メールの件名には「11月1日より」とありますが、楽天証券の公式発表で明示されている適用基準は日本時間2026年11月2日(月)18:00以降の約定分です。国内約定日は11月4日(水)です。申込日や注文日だけで判定せず、約定日時で確認してください。
11月2日18:00より前の約定について、新しい0米ドル手数料が遡って適用されるとは案内されていません。
どれくらい節約できる?取引金額別の計算例
例えば、改定前に米国株式信用取引で1,000米ドル分を新規建てした場合、通常の取引手数料は1,000米ドル×0.33%=3.30米ドル。改定後は0米ドルです。同じ約定代金で返済取引も行うと、従来の取引手数料は新規建て・返済の合計で6.60米ドルとなる計算です。
これは約定代金が両方とも1,000米ドルだった場合の例です。実際の約定代金や費用は取引によって変わり、SEC Feeなどの別途費用はこの比較に含んでいません。
デイトレードの金利・貸株料が0%になる条件
今回、金利・貸株料が無料になる「デイトレード」は、米国株式の信用取引で新規建てした建玉を同じ取引日中に返済し、翌日に持ち越さない取引を指します。信用買いの場合は買方金利、信用売りの場合は貸株料が対象です。
| ケース | 金利・貸株料の扱い |
|---|---|
| 同じ日に全量を新規建て・返済 | 対象となる買方金利・貸株料は0% |
| 同日に一部返済し、残りを持ち越す | 当日返済分のみ0%。持ち越し分は通常料率 |
| 翌日以降に建玉を持ち越す | 通常の金利・貸株料が発生 |
楽天証券による例では、10,000米ドルを買建てして同日全量返済した場合、改定前の買方金利約1.23米ドルが0米ドルに、売建ての場合の貸株料約0.55米ドルが0米ドルになります(いずれも公式の計算例)。
なお、発注時には金利・貸株料相当額が一時的に仮拘束されることがあります。デイトレードと判定された場合、楽天証券は国内約定日の翌日11:30ごろに仮拘束分を解除すると案内しています。決済直後に残高へ反映されないことがあっても、まずこの仕組みを確認しましょう。
出典:楽天証券の公式FAQ・計算例。
手数料0ドルでも「完全に取引コスト0」とは限らない
- 売却時のSEC Fee:米国株式の信用取引では、新規売建てや売返済など売却時に別途発生します。
- 持ち越し金利・貸株料:当日中に決済しない建玉には通常の金利・貸株料がかかります。
- 為替差損・その他の取引費用:外貨建ての損益を円換算する場合は為替相場の影響を受けます。個別銘柄や取引状況によって発生する費用も確認が必要です。
- 信用取引のリスク:保証金を上回る金額で取引するため、損失が差し入れた保証金を超える可能性があります。
取引前には、楽天証券の米国株信用取引の基本ルールと費用・手数料の案内も確認してください。なお、費用説明ページには改定前の数字が残っている箇所があるため、今回の改定については2026年10月15日の告知を優先して照合しています。
米国株の現物取引やNISAも無料になる?
いいえ。今回の変更は米国株式の信用取引が対象です。楽天証券の米国株式現物取引は通常、約定代金の0.495%(税込、最低0米ドル・上限22米ドル)の手数料体系で、指定銘柄など例外があります。現物取引やNISAの取引手数料が、今回の発表だけで一律0米ドルになるわけではありません。
また、信用取引はNISA口座で行う取引ではありません。長期の資産形成を目的にNISAで米国株や投資信託を保有している人にとっては、今回のニュースは別の取引制度の改定と考えるのが適切です。
SBI証券も11月から無料化。違いはキャッシュバック方式
2026年10月16日、SBI証券も米国株式信用取引の手数料とデイトレード時の買方金利・貸株料の無料化を発表しました。SBI証券は日本時間11月2日23:30以降の現地約定分を対象とし、システム対応が完了するまで当面はキャッシュバックによる実質無料と案内しています。
| 項目 | 楽天証券 | SBI証券 |
|---|---|---|
| 取引手数料 | 0米ドル | 実質0米ドル(当面はキャッシュバック) |
| デイトレード時の買方金利・貸株料 | 0% | 実質0%(当面はキャッシュバック) |
| 適用開始(日本時間) | 11月2日18:00以降の約定分 | 11月2日23:30以降の現地約定分 |
| 適用・還元方法 | 新手数料体系で0米ドル | 当面は通常の費用をキャッシュバック |
無料化そのものは楽天証券だけの特徴ではありません。実際に発生する手数料が最初から0か、後日返金の形になるかは利用者にとって確認しておきたい違いです。SBI証券のキャッシュバック時期などは同社の追加案内を確認してください。
比較の出典:楽天証券(10月15日発表)、SBI証券(10月16日発表)。
楽天証券の米国株信用取引を始める前に確認したいこと
- 楽天証券の総合口座に加え、外国株式信用取引口座の開設・審査が必要なこと。
- 無料になる対象は「信用取引の取引手数料」と「対象デイトレードの金利・貸株料」であること。
- 株価変動や為替変動によって元本以上の損失が生じ得ること。
- 米国株の23時間取引は2026年12月に開始予定で、取引時間や「同一日」の判定ルールが変わる予定であること。
最新の申込条件と取引ルールは楽天証券の公式案内でご確認ください。
まとめ:手数料ゼロは魅力。ただし信用取引の仕組みは別に確認
楽天証券は2026年11月2日18:00以降の約定分から、米国株式信用取引の取引手数料を0米ドルに変更し、デイトレード時の買方金利・貸株料も0%にします。事前エントリーは不要です。
一方、現物取引の一律無料化ではなく、持ち越し費用やSEC Fee、信用取引に伴う損失リスクは残ります。コストだけで取引方法を決めず、自分が信用取引を利用する必要があるかも含めて判断しましょう。